22日に行われた全国建設産業連合会の理事会・評議員会合同会議で、国土技術研究センター理事長の大石久和氏が「大災害頻発国に暮らす覚悟―度し難いほどのインフラ認識の欠落―」と題して講演した。大石氏は、デフレから脱却するためには内需を増やし経済の活動を拡大するしかないとし、労働人口減少という課題についても労働生産性の向上や女性参画社会の構築などで対応することができると訴えた。
大石氏は、最近20年の日本の状況について「歳出を減らしても減らしてもまた減らさなければならないという恐怖の循環に陥っていた」と指摘。さらに1000兆円といわれる政府の借金についても、外国為替資金証券、建設公債などが含まれていて、純粋な負債である赤字特例公債は425兆円であると指摘した。
また欧米の首脳が公共事業促進について発言していることを日本のメディアがほとんど報道していないことを、実際の報道例などを示して紹介し、日本の報道に対して強い不信感を示した。その上で田中角栄氏の言葉「福祉は天から降って来ない。バイタリティーで経済を発展させなければならない」を引用し、新たな国土構想、国土計画の必要性を強調した。
提供:建通新聞社