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2013/01/23

学校施設の中長期整備計画 策定自治体は7・6%

 文部科学省が地方自治体に対して行った学校施設の老朽化対策に関するアンケート調査によると、学校施設を含む公共施設全体を対象とした中長期整備計画を策定している自治体は全体の7・6%にとどまっていることが分かった。学校施設の劣化状況や補修状況をデータベース化している自治体も8・3%しかなかった。
 アンケート調査には、全国の自治体1730団体が回答した。集計結果は、学校施設の老朽化問題について話し合う「老朽化対策検討特別部会」がまとめる学校施設老朽化対策ビジョンに反映させる。
 調査結果をみると、学校施設の現状把握や情報の蓄積について、学校施設の劣化・補修状況をデータベース化している自治体は全体の8・3%で、このうち学校施設を含めた公共施設全体のデータベースを作成している自治体は4・7%とさらに少ない。
 中長期計画の策定状況については、学校施設の改修・改築時期を明確化している自治体は12%となったが、このうち公共施設全体を対象とした中長期整備計画まで策定している自治体は7・6%にまで減る。
 アンケートでは、大半の自治体が長寿命化を目的とする改修工事を実施していない現状も明らかになっている。コンクリートの中性化対策や鉄筋の腐食対策が7・8%、70〜80年先を見越した耐久性に優れた材料の使用が1・3%、維持管理や設備機器更新が容易な計画への変更が5・8%などと、いずれも全体の10%にも満たない状況だ。
 今後30年間で38兆円と試算される学校施設の改修・改築経費の圧縮に向け、文科省では2013年度予算で新たな国庫補助事業となる「長寿命化改良事業」を創設し、老朽化対策に取り組む自治体を支援する考えだ。

提供:建通新聞社