環境省は、福島県内で発生した除染工事の手抜き問題を受け、再発防止に向けた「除染適正化プログラム」をまとめた。再発防止策として、指揮監督を担う下請け事業者に対して同省の入札参加資格の取得を求めることで、不適正な行為があった場合に政府全体で指名停止処分を適用するほか、有識者委員会が施工管理体制をチェックするなど事業者の施工責任の徹底を図る。また、同省職員・委託監督員数を現在の4倍の200人に増加する。
福島県内の除染をめぐっては、集積した土砂・落ち葉を河川に投棄するなどの不適正事例が報道され、環境省が事実関係を調査していた。同省の調査によると、同様の不適正事例の報告が単純集計で28件寄せられたという。
同省ではプログラムで示した再発防止策を実施し、こうした不適正な除染の根絶を図る。再発防止策の主な内容としては、通常、元請け事業者のみに求める入札参加資格の取得を除染業務の指揮監督を担う下請け事業者にも適用し、環境省に限らず政府全体で指名停止処分を適用。
除染の効果を環境省職員が抜き打ちでチェックする「確認調査」について、調査実施の頻度を上げ、不備がある場合には事業者に除染のやり直しを指示する。有識者による「除染適正化推進委員会(仮称)」を設け、除染の受注者に事業の実施状況や施工管理体制を公開で報告させる。
受注者の施工管理の徹底に加え、環境省の監督体制の抜本的強化も図る。監督職員や委託監督員の人員増加とともに、一般からの通報を受け付ける「不適正除染110番(仮称)」を設ける。
提供:建通新聞社