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中央ニュース

2013/01/22

技能「見える化」 対象は作業員名簿記載者

 国土交通省の「技能労働者の技能の『見える化』ワーキンググループ」は21日の会合で、技能労働者が持つ資格や経験、社会保険加入状況などをデータベース化するための検討を本格化させた。登録を求める技能労働者の範囲は作業員名簿の記載者とし、使用企業が作業員名簿作成時に情報を更新することを想定。事業規模が小さい企業の負担を軽減するため、登録代行の仕組みも整える考えだ。
 技能の「見える化」に向けた取り組みは、技能労働者が技能に見合った処遇が受けられる就労環境を構築するとともに、社会保険加入状況などを効率的に確認できるようにすることが狙い。その具体化に向けて2012年12月、「担い手確保・育成検討会」の下にワーキンググループ(WG)を設けた。
 21日の会合では、▽情報登録の在り方▽登録情報管理の在り方技能労働者に付与するIDの在り方―について、意見を交わした。
 このうち、情報登録をめぐっては、事務局側が現場で働く技能労働者を幅広く対象とする観点から、作業員名簿に記載されている者を登録対象とする方向性を提示。ID付与に当たっては、基礎年金番号や住民票コードといった既存のIDではなく、独自の番号を割り振った上で、運転免許証や健康保険証などで本人確認することを視野に入れている。
 技能労働者にIDを付与する主体や、情報を登録する主体としては、実際に技能労働者を使用する企業を想定。ただし、使用企業の規模が小さく事務処理能力が乏しい場合に備え、情報登録を代表できる仕組みも整備する。登録された情報の管理主体は、一定の要件を満たした民間公益団体とすることが有力だ。
 次回2月の会合では、▽建設業法体系での位置付け▽仕組みの構築・運営に要する費用負担▽社会保険加入状況確認や法定福利費の別枠計上への活用▽建設業退職金共済制度との連携―といった点を議論し、3月の中間報告につなげていく。

提供:建通新聞社