内閣府の古屋圭司防災担当相が報道各社との共同会見を開き、新政権の防災・減災対策の方向性について語った。大規模災害への対応について「ハードだけでコントロールするのは非現実的」との見解を示し、ハードとソフトの両面で対策を講じる重要性を強調。対策の枠組み構築に向け「次期通常国会で国土強靭(きょうじん)化基本法の早期成立を目指す」との方針を示した。
古屋防災相は、国土強靭化を実現するために政府が新設した国土強靭化担当相も兼務する。古屋大臣は新政権が主要政策に掲げる国土強靭化について「将来必ず発生する大規模災害に備え、ハード・ソフト両面の対策を講じ、災害時の被害を最小限に食い止めるということだ」と説明。対策の枠組みを盛り込む国土強靭化基本法案とともに「具体策を示した南海トラフ巨大地震特別措置法案も、早期成立を立法府にお願いしたい」と訴えた。
国土強靭化に対するバラマキ≠ニの批判に対しては「非常に残念で情けない」と述べた上で「国土強靭化は、ハード整備で災害時の被害を抑制するという一義的な目的はあるが、デフレ脱却と産業の競争力向上を同時に実現する構想でもある」と反論。インフラの更新と同時に高度化を図り、産業の競争力を高める政策であるとの見解を語った。
一方、内閣府が検討している南海トラフ巨大地震の被害想定については「8月の第1次報告は津波高などの想定で国民や地方自治体の間で混乱が生じた。経済被害の推計などを盛り込む第2次報告は合理的、客観的な形でまとめなくてはならない」と述べた。発表時期については「2月以降になるのではないか」とした。
提供:建通新聞社