農林水産省は、15日に閣議決定した2012年度補正予算案に1兆0039億円を盛り込んだ。農業水利施設や漁港の補修・更新、集中豪雨などで被災した荒廃山地の復旧整備の前倒しなど、国土強靭(きょうじん)化や競争力強化に向けた公共事業に5512億円を計上している。このほか、地域材を活用した木造住宅の建築や内装木質化などにポイントを発行する木材利用ポイント制度を創設する。
公共事業費の内訳は▽農業農村整備事業1640億円▽治山事業605億円▽森林整備事業665億円▽水産基盤整備事業485億円▽海岸事業10億円▽農山漁村地域整備交付金1650億円―としている。
農業農村整備事業では、老朽化した農業水利施設の機能診断や補修・更新、集中豪雨による農村地域の湛水防止対策などを実施。基幹的な農業水利施設やため池の耐震診断、ハザードマップ作成、耐震化工事などにも予算を重点配分する。
森林整備事業では、森林の計画的な間伐やこれと一体となった森林作業道・林業専用道の路網整備を支援。集中豪雨で被害を受けた荒廃山地や、大規模地震・津波での被害の恐れのある地域の山腹崩壊地に対する治山事業も重点的に進める。
都道府県が実施する農業用用排水施設整備、予防治山、路網整備、漁港施設整備などを支援する農山漁村地域整備交付金に1650億円を計上。都道府県の裁量で事業を選択し、地区ごとに予算を配分できるようにする。
公共事業以外では、地域材を活用した木造住宅などにポイントを付与し、地域の農林水産物と交換する木材利用ポイントに410億円を計上。全国事務局を設け、都道府県ごとに設置した協議会と連携して、ポイント発行・確認・商品交換などを行う。
提供:建通新聞社