復興庁は、15日に閣議決定した東日本大震災復興特別会計補正予算案に復興予算3177億円を計上している。津波の被災地域の住宅再建などに関する復旧・復興事業で、地方自治体の負担分に1214億円を増額したほか、道路、港湾、農業生産基盤、治山事業などの復旧・復興の進捗(しんちょく)に合わせ、事業費を追加した。被災地外の防災・減災対策として、学校施設の耐震化に653億円を計上した。
復興特別会計には、津波による被災地域の住宅再建や、復旧・復興関連の公共事業の追加に伴い震災復興特別交付税に1214億円を計上し、地方自治体の負担分の軽減を図ることにした。
公共事業関連ではこのほか▽復興道路・復興支援道路の整備費5億円▽港湾施設の整備費6億円▽農業生産基盤の整備費19億円▽山腹崩壊地などの復旧整備費11億円▽旧鉱物採掘区域災害復旧事業1億円▽私立高校などの復旧支援に1億円―などを盛り込んでいる。
放射性物質の汚染地域では、新たに発生した稲わらや牧草などの農林業系汚染廃棄物のうち、基準値を超える廃棄物の処理費として104億円を計上。森林の伐採に伴って発生する枝葉などの放射性物質対策についても20億円の確保を目指す。
被災地外での使用が問題視された全国防災対策費については、昨年11月に復興推進会議で津波被害を教訓に実施する公共事業や学校施設の耐震化に使用を限定する方針を決めた。このため、今回の補正予算案では、学校施設耐震化653億円のみを全国防災対策費として計上し、被災地外での使用を認めることにした。
提供:建通新聞社