経済産業省は10日、政府の2012年度補正予算案に盛り込む緊急経済対策の内容を自民党の経済産業部会に報告した。同省の緊急経済対策の総額は1兆2029億円で、このうちセーフティネット貸付の拡充など中小企業の資金繰り支援に2893億円を配分。民間投資の活性化を図る目的で、マンション・エネルギー・マネジメントシステム(MEMS)の設置費用の一部を補助する「スマートマンション導入加速化推進事業」に130億円を計上する。
中小企業金融円滑化法の期限切れを3月末に控え、中小企業の資金繰り支援の充実を図る。支援費2893億円(うち財務省計上分1713億円)のうち、認定支援機関などによる経営支援を前提としたセーフティネット貸付などに1407億円を充てる。
資本性劣後ローンの拡充には986億円を配分。新事業展開や事業再生に取り組む中小企業に対し、リスクの高い長期・一括償還の資金を供給して財務基盤を強化する。これにより、民間からの協調融資を呼び込み、中小企業の資金繰りの安定化を図る。中小企業の借換保証を減免する経営力強化保証にも500億円を計上し、複数の借入債務を一本化して返済負担の軽減を促す。
中小企業支援策としては、商店街が実施する街路灯の整備や空き店舗活用などを補助する「商店街まちづくり事業」にも200億円を計上する見込みだ。
一方、スマートマンション導入加速化推進事業には130億円を計上する。同事業は、13年度当初予算に90億円の計上を見込んでいたが、12年度補正予算案に前倒しで盛り込むとともに、事業費も130億円まで割り増す。マンション全体のエネルギー管理を行う事業者(MEMSアグリゲーター)を通じて導入するMEMSの設置費用を補助することで、MEMS関連機器サービスに対する民間投資を加速させ、マンションの省エネ・節電などに貢献する。
提供:建通新聞社