帝国データバンクがまとめた12月の景気動向調査結果によると、建設業の景気動向指数(0〜100で示し、50が良い・悪いの判断の分かれ目)は、前月に比べ0・3ポイント減の38・7と7カ月ぶりに悪化に転じた。復興需要によって高水準が続いていた東北地方が、積雪期に入って工事が停滞した影響とみられる。
産業全体の平均指数は前月比0・4ポイント増の35・7と5カ月ぶりに改善。地域別では、四国(1・6ポイント増)や北関東(1・3ポイント図)が改善する一方、東北(0・7ポイント減)、中国(0・5ポイント減)などの悪化が目立った。
建設業者に景況感の判断理由を尋ねたところ、「労務単価や材料費が上昇しているが、工事費に転嫁できない。技能者不足もあり、案件があっても対応できていない」(土木工事)、「建物補修工事は堅調に推移しているが、単価の調整が進まず、利益向上に寄与していない」(塗装工事)などと、厳しい見方が目立った。
景況感が1・3ポイント増の37に改善した不動産業は、「需給バランスが取れ始めている」(不動産賃貸)といった前向きな声の一方、「土木工事業者が忙しいため、造成工事が進まない」(土地売買)、「低価格の商品でなければ成約できない」(建物売買)などの報告もあった。
提供:建通新聞社