2011年度に発注した直轄(沖縄、港湾空港を除く)の調査・設計業務の件数は、東日本大震災の復旧・復興事業があったため、前年度に比べ1・8%増の1万3225件と増えたことが、国土技術政策総合研究所のまとめで分かった。競争方式別では、総合評価方式が5734件と最も多く、全体の43・4%を占めた。総合評価方式の低価格落札発生率は前年度の7・3%から0・7%へと大幅に減少した。11年度に履行確実性評価の対象を拡大した効果とみられる。
競争方式別の内訳は、価格競争が前年度比11・1%減の4486件、総合評価方式が13・2%増の5734件、プロポーザル方式が0・3%増の2677件、特命随意契約が56・9%増の328件だった。
平均落札率は価格競争が77・9%、総合評価方式が82・2%。業種別では、土木コンサルタントが価格競争75・6%、総合評価方式80・9%、測量業が79・8%、81・6%、地質調査業が77・3%、84・3%となった。
低入札価格調査基準価格を下回って落札された割合・件数(予定価格1000万円以上)は、総合評価方式が0・7%・36件と、前年度の7・3%・312件から激減した。国交省は「09年度から2000万円以上だった履行確実性評価の対象を1000万円超に広げたことが要因と考えられる」と分析している。
一方、価格競争は34・1%の626件で、低価格での落札に依然として歯止めが掛かっていない。こうした状況を踏まえ国交省は12年6月の「調査・設計等分野における品質確保に関する懇談会」で、一部の地方整備局が試行している「実施方針確認型総合評価方式」や「品質確保基準価格」の全国展開も視野に、低入札対策を強化する方針を打ち出している。
総合評価方式の落札者を見ると、価格点1位以外の者が技術提案で高い評価を得て落札者となった割合が53・8%を占め、価格点1位が落札した割合を初めて上回った。
提供:建通新聞社