太田昭宏国土交通相は12月28日、建設専門記者会などの就任会見に臨み、今後の社会資本整備の在り方について「防災・減災や復旧・復興に向けた社会資本整備が重要。優先順位を明確化して国民の理解を得つつ、命を守る公共事業を腹を据えて進めていく」との決意を表明した。
建設産業の現状をめぐっては、「公共事業費は10年前と比べて半減しており、建設産業が大変な状況なのは十分に認識している。建設産業は地震や水害、雪害など緊急時に現場に駆け付けているが、最も懸念されるのはこれらの役割が失われることだ。実際に若者の入職が極端に減少している。健全な形で建設業界が仕事できるよう対処していきたい」と述べた。
東日本大震災の復旧・復興事業で技術者や技能者が不足していることに対しては、「まさにそれが問題だ。入札不調や職人不足など、(被災地の)現場の実態は承知しており、さまざまな面でバックアップしていかなくてはならない」との考えを示した。
住宅政策に関しては、「住宅は景気対策に大きな要素であり、波及効果は大きい。国民が住宅を入手できる環境整備が必要だ。中古住宅市場を含め、住宅は極めて重要という観点から制度設計に取り組みたい」と強調。その上で、消費税率引き上げへの対応について「国民が住宅を取得しやすい税制措置が必要であり、これから論議していく」と話した。
提供:建通新聞社