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中央ニュース

2012/12/13

低入調査基準の在り方などを議論

 国土交通省は、公共工事の入札契約制度の改善に向けた検討に着手した。12日に開いた中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会の基本問題小委員会では、低入札価格調査基準価格の算定に当たり、企業の施工力の継続性や人材確保を加味することを論点に意見を交わし、委員の多くがこうした考え方に賛意を示した。実勢価格をより的確に反映した予定価格を設定するための方策も議論した。
 基本問題小委員会は、建設産業戦略会議の提言を具体化するため、2011年9月に設置された。検討項目には▽業種区分の点検▽技術者データベースの整備▽社会保険未加入問題への対応▽入札契約制度の改善―などが含まれている。今回の会合では、入札契約制度を取り巻く課題のうち、ダンピング対策と適正な価格による契約の在り方が主要な論点となった。
 ダンピング対策をめぐっては、低入札価格調査基準価格の水準について、個々の発注工事にとどまらず、将来にわたって公共工事の品質を確保する可能性に着目。「建設産業の再生と発展のための方策2012」で示された「企業の施工力の継続性や人材確保に配慮を行うことが発注者の責務」との考え方を踏まえ、調査基準価格の算定で加味すべき要素の在り方を議論した。
 この中で、日本建設業連合会の西田明弘委員は「将来にわたる施工力の継続性や人材確保が発注者の責務という概念を、入札契約に加えてもらえれば、(ダンピング解消などの)ヒントが見いだせる」と指摘。全国建設業協会副会長の伊藤孝委員も「受注競争の激化で、地域建設業の若年雇用や人材育成は限界に達している」との厳しい現状を訴えた上で、直轄の調査基準価格の算定式で「一般管理費等」の算定割合が30%にとどまっていることに疑問を呈した。
 また、適正な価格による契約では、予定価格の水準の在り方が焦点となった。具体的には▽実績価格の急激な上昇やバラツキなど、市場価格は幅を持つものではないか▽特に価格の上昇局面では、予定価格の上限拘束性が問題になりやすいのではないか▽ダンピング受注により、下請けや労働者にしわ寄せを及ぼしたり、赤字受注となっているのであれば、調査している取引価格の実例価格は正常の市場取引を反映したものとは言えない面があるのではないか―といった問題意識を踏まえ、実勢価格をより的確に反映した予定価格を設定するための実効性ある方策を話し合った。

提供:建通新聞社