中日本高速道路は3日、中央自動車道笹子トンネル内で天井板が崩落した事故を受け、同様の構造を持つ4トンネルで緊急点検を実施する方針を決めた。点検は3日にはじめ、4日までに完了する。
対象は、中央道笹子トンネル下り線(山梨県)▽同恵那山トンネル下り線(長野県・岐阜県)▽東名高速道路都夫良野トンネル下り線左右ルート(神奈川県)▽新東名高速道路富士川トンネル上り線(静岡県)−の4トンネル。天井板だけではなく、つり金具についても打音・触診点検を実施する。
富士川トンネルはことし4月に供用を開始したばかりだが、恵那山トンネルは供用後37年、都夫良野トンネルは43年が経過している。
事故が起こった笹子トンネルは、1977年に開通。延長は上り線が4784b、下り線が4717b。事故はトンネル換気ダクトのために設置している天井板が50〜60bにわたって崩落して起きた。天井板はプレキャストコンクリート製で、厚みは80_と90_のものがある。走行中の車両数台が巻き込まれる惨事となった。
事故の原因は現在調査中だが、天井板をつるす金具の経年劣化が疑われている。増大する老朽インフラの維持管理の重要性が、あらためて問われることになりそうだ。
提供:建通新聞社