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中央ニュース

2012/11/28

全国防災 津波対策や学校耐震に限定 

 政府の復興推進会議は27日、全国の防災・減災事業に活用する全国防災対策費について、津波被害を教訓に実施する公共事業や緊急性の高い学校耐震化などに復興財源の使用を限定する方針を決めた。2013年度予算の編成時にこの方針を適用し、各府省の概算要求に盛り込まれた全国防災対策費9412億円を大幅に絞り込む考えだ。同会議ではさらに、既に東日本大震災復興特別会計で予算措置した事業のうち、この方針に沿わない35事業168億円の執行停止も合わせて決定した。
 同会議では、今後の復興財源の使用を被災地の復旧・復興と被災者の生活再建に関係する事業に限定することを確認。被災地向けた予算についても、復興庁や財務省が震災前に予算措置されていないか、審査を厳格化するとした。
 全国防災対策費については、復興財源を使用することを原則として認めない。ただ、津波被害で初めて認識された技術上の課題に対する▽河川の津波遡上対策▽海岸堤防や防波堤の粘り強い構造の確保・耐震対策▽水門などの自動化・遠隔操作化▽高台道路への避難階段の付加―などの公共事業のほか、緊急性の高い学校耐震化については、一般会計から予算を繰り入れた上で復興特別会計への計上を認める。
 こうした復興財源の取り扱いに沿って13年度予算の編成を進めるとともに、復興の基本方針も改定する。5年間の集中復興期間に投入するとされた19兆円の復興予算枠も見直すとしている。
 一方、11年度3次補正予算や12年度予算に既に計上されている復興予算の執行も一部停止する。執行停止する主な事業は▽官庁施設の防災機能強化49億円▽自家発電設備導入促進事業22億円▽農業水利施設などの震災対策15億円▽庁舎などの耐震補強6億円▽国税庁施設費6億円―など35事業。総額168億円は復興特別会計に差し戻し、被災地の復旧・復興事業に使用する。

提供:建通新聞社