経済産業省と環境省は、今後のフロン類対策の方向性に関する骨子案をまとめ、26日に開いた合同の有識者会議に示した。フロン類の排出量の増加傾向に歯止めをかけるため、国が冷凍空調機器の管理基準を引き上げるほか、建設リサイクル法の事前説明制度の届出対象工事で、フロン回収破壊法に基づく事前確認の指導徹底を図るよう、担当部局間が連携を強化するなどとした。
骨子案では、冷凍空調機器の冷媒用途を中心に、特定フロンからHFC(代替フロン)への転換が進んだことで、HFCの排出量が2020年に現在の2倍以上という、急激な増加を招きかねないとする問題意識を提示。
フロン類の排出量の急増傾向を早期に減少に転ずるため▽フロン類使用製品のノンフロン化▽ガスメーカーによる再生促進▽冷凍空調機器の適切な管理の促進▽適切な回収促進のための方策▽建リ法との連携による機器使用時・廃棄時のフロン類の放出最小化―などの方策を盛り込んだ。
具体的には、業務用冷凍空調機器からのフロン類の漏えいの6割が機器の使用時に由来することから、国が一定の大型機器に対する定期的な点検や漏えい発見時の適切な処理を行う管理基準を設定し、ユーザーに順守を求める。
また、現行の行程管理制度が回収業者への引き渡しまでとなっているが、処理・破壊業者に対象を拡大するなど、行程管理制度の効率化や円滑化、廃棄実施者に対する利便性向上などを図る必要性も示した。
一方、骨子案では、フロン回収・破壊法で解体工事の元請け業者に求められるフロン類を含む特定製品の有無を事前確認を求めていることについて、事前確認を行っていない建設業者や解体業者が全体の約1割に及ぶことを問題視。建リ法で定める解体工事(延べ80平方b以上)の受注者から発注者への事前説明義務の仕組みを利用し、都道府県の建リ法とフロン回収破壊法の担当部局が連携を強化し、情報を共有して対策に当たるなどとした。
提供:建通新聞社