内閣府は、PFI事業者に運営権を設定できる「公共施設等運営権制度」の創設に伴い、PFI関連のガイドラインを改定する。公共施設等運営権を活用する事業者の資金調達を多様化するため、株式・債権譲渡の課題などを整理し、活用策を提示する。13年3月末まで有識者会議で改定内容を検討し、13年度にガイドラインを見直す予定。
11年のPFI法改正で創設された公共施設等運営権制度により、金融機関や投資家が公共施設の運営権に抵当権を設定できるようになったことで、今後、独立採算型事業の増加が見込まれる。独立採算型事業などに出融資する官民連携インフラファンドの設立も見込まれているが、政府にとっては、民間によるインフラ投資を促し、インフラ投資市場を形成できるかが課題だ。
内閣府では、PFI事業者に選定されたコンソーシアムが設立する株式会社による株式譲渡、借り入れによる資金調達などを促進することで、民間の資金調達の多様化・円滑化に対応する考えでいる。
また、PFI法改正で同じく創設された民間事業者の提案制度についても、提案に対するインセンティブや提案に含まれる知的財産の保護などの面で、課題を整理する必要がある。
内閣府は、19日にPFI推進委員会総合部会の会合を2年ぶりに開き、法改正に伴う課題整理や解決策の検討をスタート。12年度末までに検討を終える見通しだ。
PFI関連のガイドラインは、これまでに▽実施プロセス▽リスク分担▽VFM(バリューフォーマネー)▽契約▽モニタリング―の五つがまとめられており、内閣府は、総合部会の提言を踏まえ、関連するガイドラインを改定する見込みだ。
提供:建通新聞社