環境省は19日に開いた中央環境審議会の総会で、大気汚染防止法や環境影響評価法など4法を改正し、放射性物質の適用除外規定を削除する方針を明らかにした。ことし6月の改正で同様の措置を講じた環境基本法との整合を図り、放射性物質による環境汚染の防止措置を環境法体系で講じられるようにするのが狙い。次期通常国会に4法の改正案を提出する見通し。
従来、放射性物質による環境汚染の防止措置は、原子力基本法などで定めることになっていた。ただ、福島第一原子力発電所の事故後、放射性物質汚染対処特措法が制定され、今回の放射性物質による環境汚染に国などが除染などで対応することが制度化された。
福島第一原発事故に伴うこうした措置を踏まえ、環境基本法についても原子力基本法などに対応を委ねていた適用除外規定を削除。今後、類似の事故が発生した際、放射性物質を環境法制の対象とすることを明確にした。
環境省は、同様の規定がある▽大気汚染防止法▽水質汚濁防止法▽海洋汚染防止法▽環境影響評価法―の4法についても規定を削除し、各分野で個別に放射性物質の汚染防止措置を規定する必要があるとした。
ただし、放射性物質対処特措法には、施行から3年後の状況を踏まえて法令の見直しを検討する附則がある。このため、同じ適用除外規定がある廃棄物処理法や土壌汚染対策法などは、特措法の見直しの有無などを踏まえ、適用除外規定を削除するかを判断する。
提供:建通新聞社