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2012/11/19

新仕分け「全国防災費は絞り込み」 実効性は不透明

 政府の行政刷新会議は16日、東日本大震災の復興関連事業などを検証する「新仕分け」を行い、東日本大震災復興特別会計に盛り込まれた全国防災対策費を使用する公共事業を「相当厳しく絞り込む」などとする評価結果をまとめた。震災の教訓を生かした津波対策などの予算計上は認めるとしたが、震災前から行ってきた事業の復興特別会計への計上は控えるよう求めた。ただ、12月16日の衆院選挙後に発足する新政権が、今回の新仕分けの結果を2013年度予算編成に反映するかは不透明な状況だ。
 新仕分けの対象となった公共事業予算は、復興特別会計に盛り込まれた全国防災対策費のうち、国土交通省と林野庁が実施する▽河川津波対策▽道路の防災・震災対策▽港湾整備事業▽社会資本整備総合交付金▽復興支援森林整備緊急対策―の5事業。
 16日の議論では、復興基本方針に盛り込まれた全国防災対策の要件である「東日本大震災の教訓」「緊急性」「即効性」の観点から各事業を検証。津波被害で技術的な課題が浮き彫りになった河川の津波遡上対策、水門の自動化・遠隔操作化などには一定の理解が得られたものの、震災前に一般会計で実施していた事業の復興特別会計への計上は控えるよう求められた。
 岡田克也副総理は「全国防災対策は既に1兆円の枠を使い切っており、相当に絞り込まないと納税者や被災地の理解を得ることはできない」と述べた上で「どうしても緊急性が高いということならば、特別会計に計上するのではなく、一般会計の公共事業費を増やすという本質的な議論をするべきだ」などと話した。

提供:建通新聞社