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中央ニュース

2012/11/16

新省エネ基準と低炭素認定基準を了承 12月上旬に公布

 国土交通省と経済産業省は15日に開いた合同会議に住宅・建築物の新たな省エネルギー基準を提示し、同会議は提示された基準案を了承した。12月上旬に関連告示を公布し、2013年4月1日に施行する。意見募集を踏まえ、1次エネルギー消費量算定の負担が大きい改修への経過措置を設けるなどの修正を講じている。合同会議では、新省エネ基準よりも1次エネルギー消費量を10%以上の削減などを条件とする低炭素住宅・建築物の認定基準も了承。認定建築物には、減税措置や容積率緩和などのインセンティブを与える。認定基準は、12月上旬の新省エネ基準の告示公布と同日に公布・施行する。
 新たな省エネ基準は、1999年に制定された現行の省エネ基準における「外皮の断熱性や設備の性能を建物全体で一体的に評価できず、建築主や購入者が建物の省エネ性能を客観的に判断しにくい」など運用上の課題に対応。断熱性能、設備性能、再生可能エネルギー利用などを総合的に評価できる基準とする。
 外皮が満たすべき熱性能に関する基準も、外皮表面積当たりの総熱損失量による基準を採用するが、性能の水準自体は現行基準と同程度に据え置く。
 15日の合同会議で了承された新基準は、意見募集の結果を反映し▽事務所などの空調設備の標準仕様の変更▽学校の標準仕様の変更(暖房設備)▽小規模店舗併用住宅(非住宅部分300平方b未満)の外皮基準の計算方法の特例措置―などを設けることにした。
 改修については、1次エネルギー消費量を算定する負担が大きいことに配慮し、当面の期間は現行基準を適用できる経過措置を設けるとした。
 一方、低炭素住宅・建築物の認定基準は、都市低炭素化促進法に基づき、基準を満たした住宅・建築物に住宅ローン減税や容積率緩和などのインセンティブを与える。
 認定基準は、1次エネルギー消費量を定量的に評価するとともに、定量的な評価が難しい措置を選択的項目として評価する内容。定量的評価では、新省エネ基準に比べ、1次エネルギー消費量(家電などのエネルギー消費量を除く)を10%以上削減できることを認定の要件とする。
 選択的項目は▽節水機器の設置▽雨水・井水・雑排水利用設備の設置▽エネルギーマネジメントシステムの設置▽再生可能エネルギー利用発電設備と定置型蓄電池の設置▽ヒートアイランド対策▽住宅劣化の軽減に役立つ措置▽木造住宅・建築物▽高炉セメント・フライアッシュセメントを主要構造部に使用―の中で、二つ以上の項目に該当することが必要になる。

提供:建通新聞社