トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2012/11/15

11年の地中熱導入43%増 政策支援後押しか

 環境省が行った調査によると、2011年に設置された地中熱利用ヒートポンプシステムは207件で、前年比43%の増加となった。東日本大震災後、エネルギー需給問題の解消を目的とした政策的な後押しを受け、設置件数を大幅に伸ばした。累計の設置件数は990件で、施設用途では住宅が4割を占める。地域別では、北海道、東京都、岩手県の順に設置件数が多かった。
 調査は、NPO法人地中熱利用促進協会の会員、同協会が地中熱利用に関する実績を把握している事業者(施主、設計者、施工者)など、169事業者の回答を集計したもの。
 地中熱利用ヒートポンプシステムの年間設置件数は、10年の25%増に続き、45%増と高い伸びを示した。設置件数の累計990件を施設用途別に見ると、住宅の設置件数が最多の434件となったほか、事務所114件、公共施設72件などが続いている。
 地域別では、北海道が322件と全体の3割を占めたほか、岩手県72件、青森県50件、秋田県49件など、暖房用の燃料費の節約効果が高い寒冷地での導入が目立つ。住宅戸数が圧倒的に多い東京都は87件で2番目に設置件数が多かった。
 また、熱交換方式別では「クローズドループ」が836件で8割強を占めたほか、「オープンルーフ」が149件、「併用」が5件となっている。
 環境省は、今回の調査対象は限定的だったため、本来の設置件数はさらに多いとみているが、設置件数の増加傾向を今後の普及促進方策に生かす考え。同省の13年度予算の概算要求では、新規事業として「地中熱利用ヒートポンプシステムの普及促進を図るための技術開発推進事業」に2億円、「先進的地中熱利用ヒートポンプシステム導入促進事業」に2億1300万円をそれぞれ要求している。

提供:建通新聞社