尾ア正直高知県知事や鈴木英敬三重県知事ら南海トラフ巨大地震の被害が予想される9県知事会議の代表者は13日、内閣府の下地幹郎防災担当相と会談し、地震・津波対策の加速化と抜本的強化を要請する政策提言書を手渡した。政策提言書では、防災対策関連予算の増額に向けた全国防災対策費の維持・継続や、南海トラフ巨大地震に備えた防災施設の整備促進を図ることを目的とした特別措置法の制定などを訴えている。
9県知事会議に参加しているのは、南海トラフ巨大地震の被害が想定される▽静岡県▽愛知県▽三重県▽和歌山県▽徳島県▽愛媛県▽高知県▽大分県▽宮崎県―の9県。
政策提言では、内閣府が8月に発表した新たな被害想定に対応するためには、地震対策の充実に向けた法整備や新たな財政支援制度の創設が急務だと指摘。「南海トラフ巨大地震対策特別措置法(仮称)」の制定により、予知・観測体制の充実、減災・復旧・復興体制の事前整備、防災施設(避難タワー、避難ビル、避難路など)の整備促進を図るよう訴えた。
また、2013年度予算編成で縮小が検討されている全国防災対策費を維持・継続することを訴えるとともに、補助率の嵩上げや地方財政措置の充実により、地方の自由度を高めた新たな財政支援の枠組みを創設することも求めた。
下地防災担当相は9県知事会議の提言を受け、年明けにも公表する南海トラフ巨大地震の経済被害想定について「想定だけでは策がなさすぎる。被害想定とセットで減災対策も示したい」と述べるとともに、この減災対策に「地方の意見も十分に反映させる」との見解を語った。
提供:建通新聞社