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2012/11/14

全シンドラー社製エレベーターを緊急点検

 国土交通省は、金沢市で発生したエレベーター死亡事故をめぐり、全てのシンドラーエレベータ社(シンドラー社)製エレベーターを緊急点検する。事故機と同型の巻上機を持つ84台は20日以内、基本構造が同じ巻上機を備える約500台は40日以内、その他は120日以内に点検結果を報告するよう、13日付で都道府県などに通知した。点検対象は少なくとも56000台に達する見込みだ。
 今回のエレベーター事故は、10月31日に金沢市内のホテルで発生した。シンドラー社製の人荷用エレベーターに従業員が乗り込もうとしたところ、戸が開いている状態でかごが上昇。従業員はかごごと乗り場に挟まれ、病院で死亡が確認された。同社のエレベーターでは2006年に同様の死亡事故が発生している。
 こうした事態を重くみて国交省は緊急点検の実施を決めた。所管する特定行政庁が建築基準法に基づき、昇降機の状況報告を所有者などに対して求める形で点検する。
 点検対象は、全てのシンドラー社製エレベーター。同社の報告によると約8200台が出荷されているという。ただし、この中には撤去分も含まれているため、実数は「少なくとも5600台程度」(国交省)となる見込みだ。
 点検に当たっては、緊急性が高いと考えられるものから優先的に実施する。具体的には@事故機と同型の巻上機(W250型)を持つエレベーター84台は20日(12月4日)以内A事故機と基本構造が同じ巻上機(W型系列)を持つエレベーター約500台は40日(12月25日)以内Bその他のエレベーターは120日(13年3月14日)以内―に結果を報告してもらう。
 点検によって、是正が必要と判断されれば、安全が確認されるまでエレベーターの運転を停止するとともに、速やかに是正するよう指導していく方針だ。

提供:建通新聞社