政府の行政刷新会議は、11月16日〜18日に行う「新仕分け」の対象事業を決定した。対象事業は、2013年度予算の概算要求に盛り込まれた東日本大震災の復興関連事業と、日本再生戦略の特別重点分野から抽出。建設関連では、被災地外使用が問題視されている全国防災対策費のほか、グリーン分野で新規に要求された「既築住宅における高性能建材導入促進事業費補助金」や「木質バイオマス再生可能エネルギーモデル構築事業」などが盛り込まれている。
東日本大震災復興特別会計に要求されている全国防災対策をめぐっては、復興財源を被災地外の事業に充当することが問題視されている。13年度予算には総額9412億円が要求されているが、新仕分けの対象にはこのうち、公立学校の耐震化、社会資本整備総合交付金、河川津波対策、道路の防災・震災対策事業などが盛り込まれた。
一方、日本再生戦略の特別重点要求では、グリーン分野で建設関連事業が多く取り上げられる。経済産業省が新規事業として100億円を要求した「既築住宅における高性能建材導入促進事業費補助金」は、既存の戸建て住宅と集合住宅に省エネ性能の高い建材の導入費を補助する事業だ。
このほか、農林水産省の「木質バイオマス産業化促進整備事業」は、木質バイオマスの産業化に向けてバイオマス利活用施設の整備や新たな利用システムの開発を支援。13年度予算に136億円を要求している。
新仕分けの対象のうち、主な建設関連事業は次の通り。
[復興関連事業]
▽税務署の耐震化▽公立学校の耐震化▽復興支援森林整備緊急対策▽社会資本整備総合交付金▽官庁営繕費▽河川津波対策等▽道路の防災・震災対策等▽港湾整備事業
[日本再生戦略の特別重点要求]
▽環境未来都市構想の推進▽スマートコミュニティのための通信ネットワーク実証事業▽農山漁村活性化再生可能エネルギーモデル構築事業▽木質バイオマス産業化促進整備事業▽森林整備事業(直轄、補助、独立行政法人)▽次世代エネルギー・社会システム実証事業▽既築住宅における高性能建材導入促進事業費補助金▽住宅建築物省エネ改修推進事業▽地域のエネルギーマネジメントによる低炭素社会構築事業▽臨床研究中核病院の整備
提供:建通新聞社