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2012/11/06

「代行割れ」は5年で解散 厚年基金制度改革案 

 厚生労働省は2日に開いた「厚生年金基金制度に関する専門委員会」の初会合に、10年後の制度廃止を前提とする見直し案を提示した。国が運用する厚生年金から資金を借りて運用する代行部分の債務である最低責任準備基金が不足する「代行割れ基金」に対し、新たな特例措置を設けて5年以内の解散を求める。これまで給付していた代行給付は、代行割れの有無に関わらず、厚生年金本体から全額支給する。
 専門委員会では、今回の見直し案をベースに年内に成案をまとめ、2013年の通常国会に改正法案を提出する。
 代行割れ基金については、従来から特例制度を設けて解散できることにはなっていたが、母体企業の負担能力が低下している基金では、現行の特例制度では解散できない状況にある。
 厚労省の見直し案では、代行部分の積立不足を母体企業が負担することを基本としているが、解散条件を緩和した新たな特例措置を提案。積立不足分の納付期間を現行の最長15年から延長する案と、納付額に特例を設ける案の2案を示している。
 最低責任準備金と保有資産との差額は母体企業が負担することを原則とする。特例解散制度の適用を受ける基金の受給者にも一定の負担を求める。代行給付については解散後も減額することなく、厚生年金本体から支給するが、いわゆる「3階部分」の上乗せ給付は解散の申請時点から支給を停止する。
 制度の段階的な廃止に向けては、改正法の施行から5年間で、代行割れ基金の特例解散を求めるとともに、代行割れしていない基金については代行返上して確定給付企業年金などへの移行を促す。施行から10年経過後は残存している基金の代行部分の給付責任は全て国に移し、基金は代行資産を厚生年金本体に納付することにする。

提供:建通新聞社