環境省は、福島県内で行う除染の設計労務単価に盛り込まれた「特殊勤務手当」が作業員に支給されていなかった問題で、既に終了した除染工事の実態調査を行うとともに、継続中の除染工事の受注者に作業員への支払いを徹底するよう現地の福島環境再生事務所などを通じて通達した。
環境省が直轄事業として行っている除染に従事する作業員には、放射線管理などの工事の特殊性に配慮し、特殊勤務手当を支給することになっている。特殊勤務手当の支給は、ことし1月から進めている「先行除染」から始まっているが、5月に正式に設定された設計労務単価では、作業員1人に1日当たり1万円(1日の作業時間が4時間未満の場合は6000円)を支給することになった。
環境省は、この特殊勤務手当が一部の作業員に支払われていなかったことが発覚したことを受け、完了済みの工事を対象とする実態調査を始めた。同省では元請け業者に対し、工事完了後に賃金台帳などの書類を監督職員に提出し、手当の支給を証明するよう求めており、提出された賃金台帳などをチェックし、手当が適正に支払われたかを調査する。
継続中の工事の受注者に対しても30日付で通達を発出し、特殊勤務手当の周知と支払いの徹底を求めた。また、監督職員への報告書の様式を統一するなど監視体制を整えた。
提供:建通新聞社