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中央ニュース

2012/11/01

標準見積書・加入促進計画の活用を申し合わせ

 国や建設業団体などで構成する「社会保険未加入対策推進協議会」(会長・蟹澤宏剛芝浦工業大学教授)は31日に第2回会合を開き、法定福利費の内訳を明示した標準見積書や社会保険加入促進計画(促進計画)を活用しながら、関係者一体で保険未加入対策を推進していくことを申し合わせた。これを受けて専門工事業団体は、総合工事業団体や傘下企業に標準見積書の活用を働き掛ける。総合工事業団体も傘下企業での活用を推進するとともに、民間発注者に法定福利費を含む適切な金額による契約などを呼び掛けていく。標準見積書の取り扱いで不当な扱いを受けた場合などの情報収集体制を強化することも決めた。
 この協議会は、建設業許可・更新時の保険加入状況の確認・指導や、元請けによる下請け指導の徹底といった社会保険未加入対策を、行政・発注者・元請け・下請け・労働者などが一体となって推進していくために設置された。
 国交省土地・建設産業局の佐々木基局長は「11月1日から建設業許可・更新時の確認・指導や元請けによる下請け指導がスタートする。パンドラの箱≠開けてしまったとの指摘もあるが、建設産業が近代的な産業として再生・発展していくためには、避けて通れない問題だ。関係者が一体となって運動を進めていこう」と呼び掛けた。
 今回の会合では、国交省が建設関係団体から提出された促進計画と標準見積書の作成状況や内容を説明。それによると、促進計画は協議会の構成メンバー75団体のうち59団体、標準見積書は32団体が作成済みとなっているという。
 標準見積書をめぐっては、11月1日から活用を始めた上で改善を繰り返していく。活用に当たり、総合工事業団体と専門工事業団体が今後取り組むべき事項も明確化した。この中で「標準見積書の使用を理由なく断られた」「法定福利費を不当に減額された」といった不当な取扱いに対し、総合工事業団体や専門工事業団体が情報を収集し、国交省に報告することを決めた。
 申し合わせは、建設産業に携わる関係者一同が、各団体の促進計画を着実に実行していくとの決意を表明する内容。その際には、他の優れた取り組みを参考にするとともに、取り組みの輪を団体から会員団体、会員企業、関係する会社に広げ、さらにそのトップから担当者まで理解を深めていくこととした。
 また、法定福利費の確保に向けては、専門工事業団体が作成する法定福利費を明示した標準見積書を積極的に活用し、必要な法定福利費が確保されるよう協力して取り組んでいく姿勢も明確化した。

提供:建通新聞社