政府の規制・制度改革委員会が設置した経済活性化ワーキンググループは、取引機会の拡大などによるデフレ脱却を目指した規制・制度改革の基本的な方向性を11月中にまとめる。WGでは、建設業法に関連した「工事中断期間に係る監理技術者等の専任義務の除外」「監理技術者等の途中交代ルールの徹底」「建設工事における主任技術者の専任要否を判定する基準の見直し」などの規制緩和要望も議論の対象とする。
WGでは、わが国経済のデフレ脱却を目的に、政策の重点をリーマン・ショック以来の危機対応のための「守り」から、新たな就業や起業を拡大する「攻め」に転換するため、ヒト・モノ・カネに関する規制緩和策を検討する。緩和を検討する規制・制度は、事業者団体や一般国民からの要望を受け付ける「国民の声集中受付」の結果などを受けて選定する。
26日に開かれたWGの初会合には、国民の声などに寄せられた要望事項178項目が示された。建設業法関連の規制では、電気通信工事を行うIT業界などから、主任技術者や監理技術者の現場専任義務に関する規制緩和の要望が盛り込まれている。
工事1件の請負金額2500万円(建築一式工事は5000万円)以上の工事に課せられる監理技術者や主任技術者の現場専任義務については、工事の中断期間にも義務が発生することから、中断期間の現場専任義務を除外するよう要望している。また、国土交通省の「監理技術者制度運用マニュアル」で認めている監理技術者の途中交代が、自治体発注工事などで認められていない現状について、途中交代ルールの周知徹底を図る要望も寄せられた。
一方、主任技術者の専任義務が生じる「請負金額2500万円」に材料費が含まれていることを問題視し、請負金額から材料費を除いた金額で専任義務を判定することなども盛り込まれている。また、電気通信工事業の監理技術者になるための要件が「請負代金4500万円以上の工事に2年以上の指導監督的な実務経験」としていることについて、請負代金の小規模化で実務経験を満たすことが困難であるとして、基準となる請負代金の引き下げを求めている。
提供:建通新聞社