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2012/10/30

解体用建機に新たな安全規制 13年度早期の施行へ 

 厚生労働省は29日、建築物の解体工事現場で使用する建設機械の安全規制を話し合う「解体車両系建設機械の新たな安全対策に係る検討会」(座長・建山和由立命館大学教授)の初会合を開いた。労働安全衛生法の規制がない「鉄骨切断機」「コンクリート圧砕機」「つかみ機」による労働災害が東日本大震災後に増加していることを受け、対象の解体用建機に関する使用方法や就業制限、構造規格などの安全規制を検討する。厚労省は、検討会が12月上旬にまとめる規制について、13年度早期の施行を目指す。
 労働安全衛生法では、解体用建機の「ブレーカー」のみに安全上の規制を課しており、解体現場で急速に導入が進んでいる「鉄骨切断機」「コンクリート圧砕機」「つかみ機」をアタッチメントとして装備する解体用建機は未規制の状態にある。
 ただ被災地などでは、震災後の解体工事の増加で、建機の運転に未習熟なオペレーターが増えたことなどが影響し、これらの解体用建機による労働災害が増加している。
 こうした事態を受け、厚労省は、有識者や事業者団体を集めた検討会を設置し、未規制の解体用建機に関する安全対策をまとめることにした。検討会には▽建設業労働災害防止協会▽建設荷役車両安全技術協会▽建設労務安全研究会▽全国解体工事業連合会▽全国登録教習機関協会▽日本建設機械工業会▽日本建設機械施工協会―などが参加する。
 29日の初会合では、労働災害の発生状況などを基に、解体用建機の使用方法に関する規制について議論。厚労省からは、対象の解体用建機にワイヤロープを掛け、物を吊る作業で多くの労働災害が発生していることから、対象の解体用建機で玉掛けして吊る作業を禁止する規制案を提示。運転中の建機に接触したり、落下物による死傷災害も発生しており、一定の範囲内に労働者の立ち入りを禁止することなども提案した。
 一方、解体用建機による労働災害では、オペレーターの知識・技能不足が原因で発生している事例も見られ、機体重量3d以上の建機を運転する際に技能講習の修了を義務付けるなど、就業制限も課す見込みだ。解体用建機の技能講習は、従来のカリキュラムに、学科講習で2時間、実技講習で1時間を追加することなどを検討する。

提供:建通新聞社