政府は26日、経済危機対応・地域活性化予備費などを活用した緊急経済対策を閣議決定した。予算規模は4226億円、地方負担などを含めた事業規模は7500億円程度になる見通しだ。日本再生戦略における重点分野(グリーン、ライフ、農林漁業)、東日本大震災の復興や防災・減災対策などのうち、早期に需要・雇用などの面で効果が発揮される事業に重点配分した。公共事業関係では、道路・港湾・水道・農山漁村・河川・学校施設の老朽化対策や風水害対策などを盛り込んでいる。
緊急経済対策の財源には、12年度当初予算に計上された「経済危機対応・地域活性化予備費」「東日本大震災復興特別会計予備費」「一般会計予備費」を充てる。政府は、今回の対策で実質GDP0・1%強を押し上げるとともに、4万人規模の雇用創出効果があると試算している。11月中には第2弾の経済対策もまとめる予定だ。
公共事業関係では、河川の緊急風水害対策や道路・港湾の緊急老朽化対策を実施。河川の緊急対策には245億円を計上し、7月に発生した九州の豪雨災害を踏まえた堤防の緊急点検結果に基づき、安全性が低かったり、流下能力不足が指摘された箇所で、堤防の嵩上げや補強対策を実施する。
道路やトンネルなどの道路構造物の老朽化対策にも155億円を確保。農山漁村関係では、6次産業化促進のための農地・水利施設緊急整備に160億円、豪雨緊急対策に467億円を計上している。
緊急経済対策の主な中身は次の通り。
▽エネファーム設置の緊急支援251億円▽次世代型の高効率熱利用設備設置の緊急支援155億円▽地域主導による再生可能エネルギー導入のための緊急支援5億円▽6次産業化促進のための農地・水利施設緊急整備160億円▽小規模・迅速な農地・水利施設緊急整備310億円▽通学路の緊急合同点検結果に基づく緊急対策48億円
▽障害者施設・児童福祉施設の緊急整備34億円▽被災地向けグループ補助金801億円▽福島立地補助金402億円▽学校施設老朽化等への緊急対策200億円▽河川等の緊急風水害対策及び道路・港湾等の緊急老朽化対策454億円▽農山漁村における豪雨等緊急対策467億円▽水道老朽化、水質汚染等への緊急対策74億円▽防災力向上のための地域自主戦略交付金208億円
提供:建通新聞社