環境省は、除染の加速化を目的とした体制整備や府省間の連携強化などの対策をまとめた「除染推進パッケージ」を発表した。福島復興の基盤となる除染を早期に完了するため、同省の現地事務所である福島環境再生事務所への本省からの権限移譲に加え、同意取得業務の民間委託拡大、作業員の広域確保などの対策を実施するとしている。
7日に福島県楢葉町の除染現場を視察した野田佳彦首相の指示を受け、除染のスピードアップを図るための対策をパッケージでまとめた。
環境省では、11年12月に策定した「除染関係ガイドライン」の対象となる除染作業に対し、除染を実施する市町村に交付金や補助金などの財政措置を講じているが、現状では個別の照会・要望に迅速に対応できていない。本省から福島環境再生事務所に権限を委譲して現地の実情に応じた判断ができるようにするほか、ガイドラインを改定して判断基準の明確化を図る。
除染を実施する前提となる土地所有者からの同意取得については、民間委託の拡大により、10月中に現在の40人体制を倍増させる。除染作業員を確保するため、ハローワークと連携を強化し、受注者情報の提供などで広域的な人材確保策を充実させる。
また、農地、森林、常磐自動車道などの除染のスピードアップを図るため、農林水産省、国土交通省、復興庁、内閣府など関係府省との連携を強化し、個別課題に対応するとした。
提供:建通新聞社