国土交通省の社会保険未加入対策推進協議会ワーキンググループ(WG)は22日の会合で、社会保険未加入対策の進め方をめぐり一定の方向性を固めた。10月31日に開く全国協議会で各団体が提出する保険加入促進計画と標準見積書を登録した上で、標準見積書を活用して必要な法定福利費を確保するための申し合わせを行う。その後、WGの場などで運用上の課題などの情報を共有し、必要に応じて標準見積書の改善に取り組んでいく方針だ。
社会保険未加入対策推進協議会は、行政・発注者・元請け・下請け・労働者などが一体で対策を進める場として、国交省が本年5月に設置した。今回のWGは、全国協議会の準備会合としての位置付けで、主に標準見積書の活用の進め方などについて意見を交わした。
この中で、法定福利費の確保をめぐり総合工事業団体の委員は「覚悟を決めて取り組んでいかなければならない」と前向きな姿勢を提示。一方、「民間工事の施主から法定福利費をどう確保するかが大きな課題。国からもその社会的な必要性を訴え続けてほしい」と注文を付けた。
専門工事業団体の委員からは「大手ゼネコンだけでなく、全国のあまねくゼネコンで対応してもらわないと意味がない」「標準見積書の活用が進んだ段階で、最終的には国による何らかの規制が必要」といった意見が出された。
国交省は、総合工事業団体と専門工事業団体が今後取り組むべき事項を明確化することを想定している。総合工事業団体には、傘下企業や民間発注者、専門工事業者に標準見積書の活用を周知・徹底するとともに、団体として法定福利費の内訳明示への取り組み内容を具体化することなどを求める。専門工事業団体に対しても、傘下団体・企業への計画的な周知や総合工事業者への働き掛けなどを、全国協議会後、速やかに要請していく。
提供:建通新聞社