国土交通省は17日、公正取引委員からの官製談合防止法に基づく改善措置要求を受けて、直ちに実施すべき当面の再発防止対策をまとめた。入札契約手続きをめぐっては、予定価格作成時期の後ろ倒しや、入札書と技術提案書の同時提出など、不正が発生しにくい仕組みへの見直しを進め、速やかに適用する構え。談合業者のうち首謀者に対するペナルティーも強化する方針だ。
今回の改善措置要求は、四国地方整備局などが発注する工事で行われたとされる談合に、国交省職員が関与していたとみた公取委が17日に発出した。同日付で関係先には排除措置命令と課徴金納付命令も下された。
国交省がまとめた再発防止策によると、入札契約手続きでは、技術提案書に記載された業者名のマスキング(消し込み)を徹底するほか、▽予定価格作成時期の後ろ倒し▽入札書と技術提案書の同時提出▽総合評価方式での積算業務と技術審査・評価業務の分離体制確保―などに取り組む。
ペナルティー強化に当たっては、高知県内事務所発注の入札参加者から、当分の間、誓約書の提出を義務付け、それに違反した場合には指名停止期間を加重する。また、談合の首謀者に対しては、「確定した排除措置命令などで首謀者であるとされている業者」の違約金を10%から15%に引き上げる。
さらに、地方整備局ごとに地方整備局長を本部長とする「コンプライアンス推進本部」や、外部有識者らで構成する「コンプライアンス・アドバイザリー委員会」を設け、コンプライアンス・内部統制を強化するための年度推進計画の策定などを推進する。
国交省では引き続き、入札談合の背景や原因を踏まえた全般的な再発防止策を検討していく考えだ。
提供:建通新聞社