政府の閣僚級メンバーによる復興推進会議(議長・野田佳彦首相)は12日、被災地外使用を批判されている復興予算について、2013年度の予算編成で被災地の復旧・復興事業への使用に絞り込む方針を固めた。平野達男復興相は会議後に会見し、特に問題視されている全国防災対策費を念頭に「対策費が必要という意見は理解できるが、復興財源の使用が適切でない事業であれば、一般会計で措置してもらうことになる」と語り、被災地の復旧・復興事業を優先する姿勢を示した。
復興推進会議では、復興予算の使途について「被災地の復旧・復興を最優先にする」との方針を各メンバーが確認。11年度補正予算と12年度予算に計上された復興予算については、復興庁と財務省が執行状況を精査することになる。特に見直しの余地があると判断した事業については、行政刷新会議が行う行政事業レビューなど、公開の場で検証することも検討する。
全国的な防災・減災対策予算を復興財源から充当する全国防災対策費については、今後5年間の復興予算19兆円の中から1兆円を充てるとされ、11年度補正予算と12年度予算で1兆0579億円が予算措置されている。13年度予算の概算要求でも、復興特別会計に総額9412億円が要求されており、今後はこの取り扱いが焦点になる。
平野復興相は16日の会見で「全国防災対策費は12年度予算の段階で1兆円を上回っているが、この大枠をどう設定するかが今後のテーマだ」との見通しを示した上で、「首都直下地震や南海トラフ巨大地震に備えるという意義は理解できるが、肝心の被災地の復旧・復興事業に影響を及ぼすことがあってはならない」と述べた。
提供:建通新聞社