全国知事会の「日本のグランドデザイン構想会議」は、東日本大震災の教訓を踏まえた日本再生デザインの最終報告をまとめた。新たな国土構造の構築を目的に「日本海国土軸」「太平洋新国土軸」「北東国土軸」を例示して国土軸の複線化を図るべきと提言し、高速道路のミッシングリンク解消、全国新幹線網の早期整備、ガスパイプライン網の整備などの具体化を求めた。
構想会議では▽自己決定と責任を持つ、21世紀型の「地方自立自治体」▽多様性のある経済圏・大交流圏形成による「多極交流圏の創設」▽国土軸のリダンダンシーの確立と防災力強化による「新たな国土軸の構築」―の3テーマを掲げ、震災後の国土のグランドデザインを策定。
新たな国土軸の構築に向けては、国土を縦横に貫く複数の国土軸と地域間ネットワークの確立がが求められると指摘。日本海国土軸、太平洋新国土軸(東海〜四国〜九州)、北東国土軸(東北)などによる国土軸の複線化を図ることが不可欠とした。具体的には、日本海側の道路整備と太平洋側への横断軸整備、高速道路のミッシングリンクの解消、全国新幹線網の早期整備、ガスパイプライン網の整備などのインフラ整備を提案した。
また、日本全体の防災・減災機能を強化するため、国と地方が連携した国全体の事業継続計画の策定に加え、南海トラフ巨大地震を想定して既存インフラの健全化対策を早急に実施することなども求めている。
提供:建通新聞社