国土交通省の「安全を持続的に確保するための今後の河川管理のあり方検討小委員会」は28日の会合で、河川管理をめぐる課題について意見を交わした。この中では、適切な維持管理水準を全国的に保つため、道路法や港湾法で位置付けられている維持の基準を河川法にも盛り込むことを念頭に、計画的な管理の制度化を今後の論点に位置付けた。
この小委員会は、河川施設の維持管理方策を検討するため、本年8月に設置された。今回の会合では、事務局が河川管理に関する取り組み事例や課題を整理し、議論のたたき台として委員に示した。
対応すべき課題のうち、河川の規模や施設の重要度に応じた維持管理水準の確保に向けては、計画的な管理の制度化に加え、大河川と中小河川の維持管理基準の設定、河道と施設を統合したシステムの構築などを提示。管理水準を確保するための仕組みづくりに当たっては、ICTを活用した管理技術データベースの構築や点検・診断の管理技術開発・体制整備などを挙げた。
また、高齢化する河川構造物を戦略的に管理する観点から、状態監視型保全を中心とした長寿命化対策の確実な推進や、長寿命化に役立つ技術開発の必要性も指摘。中長期のストックマネジメントの導入や、資源・エネルギー源としての河川管理の在り方も検討課題とした。
提供:建通新聞社