南海トラフ巨大地震の被害想定に合わせ、内閣府は、防災対策を進めた際の被害軽減効果も推計した。住宅の耐震化率が2008年時点の79%から90%まで向上すれば、被害想定で示された全壊棟数は約4割減少すると試算している。
被害軽減効果は、被害想定で示された「東海地方が大きく被災するケース」のうち、地震動が基本ケースの場合の揺れによる全壊棟数62万7000棟をベースに推計。
旧耐震基準の建物の建て替えや耐震補強が行われ、耐震化率が現在の79%から向上すると、建物被害は、耐震化率90%で36万1000棟、同95%で24万棟、同100%で11万8000棟にまで軽減するという。
建物倒壊による死者数の想定3万8000人も、現行の耐震化率90%に向上することで2万1000人、同95%で1万4000人、同100%で5800人に減少するとしている。
また、津波による死者数は、津波避難ビルが活用されない場合と、活用したケースを比較すると、最大で約8割減少すると推計している。
提供:建通新聞社