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中央ニュース

2012/08/30

高額賃貸部門を事業会社化 UR組織改革案 

 内閣府のUR都市機構の在り方に関する調査会は、高額賃貸住宅事業の分社化を柱とするURの組織改革案をまとめた。高額賃貸住宅事業は、政府100%出資の事業会社として分離し、賃貸収入や資産売却により13兆円を超える負債の削減につなげる。このほかのニュータウン事業、都市再生事業、賃貸住宅事業は行政法人に移行し、行政の関与の下で運営改善を図る。組織改革のための法案を2013年度中に国会に提出する。
 高額賃貸住宅事業は、政府100%出資の事業会社として、法案成立後、1〜2年での発足を目指す。民間と競合できる収益性の高い都心部の物件を活用して収益を上げ、将来的な株式売却も想定する。
 事業会社の具体的な取り組みとしては▽個別物件の立地や空室率を踏まえた柔軟な家賃設定▽経費率の縮減▽定期借家権の一層の活用▽民間業者への管理委託―のほか、不動産投資信託(リート)の活用も検討するなど、民間のさまざまな手法を導入して収益性を高める。事業会社の経営判断で資産売却も進める。
 行政法人では、高額物件以外の賃貸住宅事業、都市再生事業、ニュータウン事業を所管し、業務運営の改善を図る。このうち賃貸住宅事業では▽大規模複数年契約の導入などによる修繕費の削減▽ストック再編・再生方針の見直し▽団地再生時のアセットマネジメントの導入―などを具体的に進める。
 公益性の高い都市再生事業は現行の仕組みを基本的には維持するとしたが、民間事業者との共同事業や震災復興へのノウハウ・技術提供など、収益性向上のための新事業参入も想定する。ニュータウン事業は、2018年度までの土地供給・処分完了に向け、販売用資産の売却や賃貸用資産の収益力強化を図る。
 報告書では、組織改革の前に早急に実施する経営改善方策も提言。現在の本社・横浜アイランドタワーの12年度中の売却をはじめ、職員宿舎や事務所など事業用以外の資産を処分するよう求めた。

提供:建通新聞社