中小企業庁は、下請代金支払遅延等防止法(下請代金法)で規制する取引範囲の拡大を検討する。現行法で規制する「製造取引」「修理委託」「情報成果物作成」「役務提供委託」に、仕様を指定しない「汎用品」の取引を追加できないか検討する。現行の下請代金法は、建設業法で規制する建設工事の請負契約は対象外としているが、建設工事に関連する建材・住宅設備の製造委託などは規制対象としている。
下請代金法では、下請け事業者の利益保護や取引の適正化を目的に、親事業者の義務(発注書面の交付義務、下請代金の支払期日を定める義務)や、禁止行為(下請け代金の減額、下請け代金の支払遅延、報復措置など)を定めている。
現行法の対象取引は、仕様を指定した製造委託などを限定しているが、汎用品の納入を卸売業者に発注する売買取引、製造した製品のカタログ販売など、仕様を指定しない汎用品を規制対象に追加することを検討する。建設工事に関連する建材や住宅設備についても、規制する取引を拡大する可能性が高い。
中小企業庁では、中小企業政策審議会の「ちいさな企業未来部会」に法制検討ワーキンググループを設置し、中小企業基本法、中小企業支援法、下請中小企業振興法などとともに、下請代金法の見直しについて議論する。11月中旬にも見直しの方向性をまとめ、早ければ次期通常国会に改正法案を提出する見通しだ。
提供:建通新聞社