内閣府から公益社団法人移行の認定を受けた全国鉄筋工事業協会(全鉄筋、内山聖会長)は、8月1日付けで法人登記を終えたことから、社団法人の解散総会と、公益社団法人に移行して最初の通常総会を9月12日に東京都内で行う。一連の公益法人改革で、建設専門工事業団体が公益法人として再スタートを切るのはこれが初めて。
定款には、公益法人としての活動目的を「世界でも比類のない災害多発地域に位置する日本の特性の中で、重要な役割を担う」とうたった。その上で「鉄筋工事に係る技術・技能の発展・改善、卓越した技能者の確保・育成を図る」とし、「鉄筋に関する広範な知識・情報の発信・提供などの事業を通じて国土の整備・保全と国民生活の安全と安定に寄与する」との強い決意を示した。
事業は、公益二本と収益一本の合わせて三本の柱で構成。うち公益事業は登録鉄筋基幹技能者講習や、鉄筋基礎など鉄筋工事の技術・技能の向上・承継・発展のための諸事業を行うとしたほか、経営の健全な発展と従業員などの福祉向上、雇用改善、就労支援などに関する事業を行っていくとした。
収益事業は、配筋要領書や加工手順書など書籍類の出版、研修会などを行い、将来的は「鉄筋資料室」と「鉄筋博物館」の開設に取り組む。
内山会長は「鉄筋業の将来を考えたとき、技能者の確保・養成が最も大きな懸案だ。公益法人に認定されたことで、鉄筋工事業の社会的認知度が高まり、その結果、若年入職者が増加することを期待したい」と話している。
提供:建通新聞社