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2012/08/15

CIM実用化へロードマップ案 契約方式も検討

 国土交通省は、3次元オブジェクトを活用した「CIM」(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の実用化に向けたロードマップ案をまとめた。2016年度までの5年間で、デジタル地形情報や3次元設計・計算・自動積算の一般化、施工・維持管理段階での高度活用を図る計画だ。設計・施工段階でCIMの効果が最大限に発揮できる契約方式も検討し、16年度までに運用するとしている。
 国交省は、建設関連団体なども参加した「CIM制度検討会」の初会合を10日に開き、ロードマップ案を提示した。検討会での意見も参考にして、次回10月の会合で確定させる見込み。
 ロードマップ案では、16年度までの5年間を▽試行期間(12〜14年度)▽試行拡大期間(13〜15年度)▽導入期間(14〜16年度)―に分割して実用化を進めるとした。
 試行期間では、既存技術の範囲で基本的属性情報を付与したCIMモデルを構築・活用。測量・構造計算・積算は従来と同様だが、施工段階では可視化による細部確認や設計変更などの初歩的な活用を図るとした。
 試行拡大期間には、デジタル地形情報、3次元設計・計算、属性情報、数量算出などの技術開発が進むと仮定し、CIMの内容・範囲を拡大する。測量・地質調査にデジタルデータを全面導入したり、一部の工種でCIMモデルによる自動積算をスタートさせる。施工段階でも、現場管理、安全管理、資材管理に活用範囲を広げるほか、維持管理への活用検討も開始する。
 14〜16年度の導入期間には、デジタル地形情報、3次元設計・計算、自動積算の一般化を図るほか、属性情報の高度化も進める。施工段階では、施工の最適化など高度な活用や維持管理活用モデル(施工データ、完成時データ、維持管理データ)の納品なども始める。
 一方、CIM制度検討会を中心に、実用化への動きと並行して制度・基準の内容も今後5年間で固める。CIMを活用した案件の最適設計・施工のための契約方式も検討するとしており、一部工種で詳細設計付き工事発注を採用することなどを例示した。また、工事契約図書にCIMモデルを活用することも視野に入れている。

提供:建通新聞社