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2012/08/14

除染を労務費調査の対象に追加 国交省 

 国土交通省は、公共工事設計労務単価を設定する際の基礎となる2012年度公共事業労務費調査の実施方針を固めた。今回からは放射性物質の除染工事に従事した建設労働者への賃金の支払い実態を調査対象に加える。昨年に引き続き、社会保険加入の実態把握にも取り組む。調査結果は公共工事設計労務単価の次期改定に反映させる。
 公共事業労務費調査は、公共工事の予定価格の積算に使う公共工事設計労務単価を設定するため、公共工事に従事する建設労働者約20万人を対象として毎年10月(一部は9月分を含む)の賃金支払い実態を調べている。
 今回の調査では、福島原発周辺地域で除染が本格化してきていることから、被災地での労務費の実態を適切に把握するため、除染工事を対象に追加することにした。調査結果は、既存の▽特殊作業員▽普通作業員▽造園工▽とび工▽運転手(特殊)▽運転手(一般)▽土木一般世話役▽防水工―の単価設定に活用する考え。新たに除染工の職種を設けることは想定していない。
 また、社会保険加入の実態を把握するため、雇用保険適用事務所番号、健康保険名・適用事務所整理番号、厚生年金保険番号・事業所番号の記入欄を追加するとともに、法人・個人の企業区分を前年度と同様に設ける。調査票の審査に際し、保険料が確認できる資料の提示も求める。あくまでも実態把握が目的のため、仮に調査で保険未加入が発覚しても、行政指導の対象にはしない方針だ。
 さらに▽老齢厚生年金などの受給者のうち日払い賃金を調整している労働者を調査対象から除外する▽造園工や法面工など計38職種については、標本数を確保する観点から、従来の10月分に加え9月分の賃金支払い実態も調べる―といった取り組みも継続する。
 このほか、所定労働時間が週40時間以内であることを確認できる書類(就業規則、賃金台帳)や、賃金支払いが確認できる書類(作業日報、出勤簿)、従事した作業内容・就労実態が確認できる書類(作業日報、出勤簿など)を審査時に準備しておくことも求める。

提供:建通新聞社