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中央ニュース

2012/08/08

建設現場の熱中症死亡災害が急増

 厚生労働省は、7月の急激な気温上昇で熱中症を原因とした死亡災害が多発していることを重くみて、熱中症予防対策の徹底を求める通知を関連する業界団体に発出した。7月末までの熱中症による死亡災害は14件(速報値)で、いずれも建設現場(建設業12人、警備業2人)で発生しており、記録的な猛暑になった2010年度の発生件数(7月末時点で27人)に次ぐ状況にある。
 7月末までの熱中症による死亡災害は▽岩手県1人▽宮城県3人▽群馬県1人▽埼玉県2人▽東京都1人▽富山県1人▽福井県1人▽静岡県1人▽愛知県1人▽三重県1人▽福岡県1人―で、全14件が建設業と建設現場に従事していた警備業で発生した。建設・警備業以外での死亡災害は7月末時点では確認されていない。
 厚労省ではことし5月、前年度に死亡災害が最も多かった建設業に対して重点的に対策を講じるよう通知していたが、7月末時点で既に前年度の死亡災害の件数を上回った。同省は3日付で再度通知を発出し▽WBGT基準値の把握▽基準値を上回った際の作業中断▽朝礼時の注意喚起▽順化期間の設定―など、予防対策の徹底を求めた。
 ことしの梅雨の時期の気温は20度程度と例年より低かったが、梅雨明け後に気温が急上昇した7月中旬から死亡災害も増えた。厚生労働省安全衛生部では「気温の急激な変化に体を慣らす順化期間が十分でなかったことも死亡災害が増加した要因にあるのではないか」とみている。

提供:建通新聞社