国土交通省は、住宅などに設置する電気・ガス給湯器の転倒を防止するため、建築基準法に基づく告示を9月にも公布する。満水時の総質量が15`を超える給湯器が対象で、仕様ルートでは総質量に応じて固定に用いるアンカーボルトの種類や本数を定める。計算ルートでは、地震により生じる力に対し安全上支障のないことを確認するよう求める。施行は2013年1月を見込んでいる。
東日本大震災では、住宅などに設置されていた電気給湯器などの転倒被害が多数発生した。その多くは、アンカーボルトで固定されていなかったり、不十分なアンカーボルトを使用していたりしたことが原因だった。こうした状況を踏まえ国交省は、一定の電気・ガス給湯器について具体的な転倒防止措置を義務付けることが必要と判断した。
新たな告示は、大地震に対して、給湯器が転倒・移動しないことを目的として、@仕様ルートA計算ルート―の二通りの基準を設ける。
仕様ルートでは、総質量に応じて固定に用いるアンカーボルトの種類・本数を規定。例えば、給湯器(アスペクト比4以下)の総質量が15`超300`以下で、1階部分や敷地部分に設置する場合、口径12ミリ以上で埋込長さ100ミリ以上の埋込アンカーなどを3本以上用いることとする。
計算ルートは、総質量550`超の給湯器が対象(質量によらず自ら計算ルートを選択することも可能)。計算に用いる設計用標準震度は、上層階が1G、上層階以外の部分が0.6Gと設定する。
周囲に丈夫な壁や囲いを設ける場合、給湯器の転倒・移動などにより人が危害を受ける恐れがない場合は、こうした措置の対象から除外する。
提供:建通新聞社