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2012/08/02

エスカレーター新設に落下防止の新基準

 国土交通省は、エスカレーターの落下防止対策に関する試案をまとめた。エスカレーターの新設や増設に際しては、十分な「かかり代」を設けたり、ワイヤロープなどによる落下防止措置を講じたりすることを盛り込んだ新たな技術基準への適合を義務付ける。既設エスカレーターは、優先度の高いものから改修を促進するよう業界に強く要請するとともに、新基準を所有者などに周知する。
 東日本大震災やその余震では、ショッピングセンターに設置されていたエスカレーターが落下する被害が複数箇所で発生した。これを踏まえ国交省は地震時のエスカレーターの落下対策を検討してきた。
 今回まとまった試案では、エスカレーターを新設・増設する際には新たな技術基準への適合を義務付けることとした。具体的には、▽「かかり代」は昇降高さの40分の1以上を原則とし、中規模地震時の層間変形角が200分の1を超える場合は割り増し補正する(ただし、構造計算で確かめた層間変位を用いる場合は100分の1を下限として緩和できる)▽昇降高さの100分の1以上の「かかり代」を設けた上で、ワイヤロープなどによる落下防止措置(バックアップ措置)を講じる―のいずれかの仕様とすることを求める。
 新たな構造方法を採用しようとする場合や、構造的に一体でない建築物の部分にエスカレーターを設ける場合などには、特殊検証を行う。
 既設エレベーターについては、新基準への適用義務付けは見送るものの、優先度の高いものから改修するよう業界に強く要請するほか、定期検査報告制度などで状況把握に努める。また、新基準を所有者などに周知する取り組みも展開する。
 国交省は試案に対する一般からの意見を9月15日まで募集している。

提供:建通新聞社