トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2012/08/01

20年度までに新築建物の省エネ義務付けへ

 国土交通省は、国土交通行政の基本理念である「持続可能で活力ある国土・地域づくり」の実現に向けた主要政策の工程表をまとめた。低炭素・循環型システムの構築に当たっては、2020年度までに新築建物に省エネ基準適合を義務付けるため、伝統的な木造住宅に配慮しつつ必要な環境整備を推進する。社会資本の的確な維持管理・更新に向けては、主な社会資本の実態把握を進め、将来の維持管理・更新費用の推計に取り組む。こうした方針を、2013年度以降の予算要求や税制改正要望、制度改正に反映させていく考えだ。
 今回の工程表は、政府が31日に閣議決定した日本再生戦略を踏まえ、国交省が取り組むべき主な政策や目標を明確化したもの。@低炭素・循環型システムの構築A地域の生活・経済機能の強化と集約化B災害に強い国土・地域づくりC社会資本の的確な維持管理・更新D住宅・不動産、観光などの分野での消費・投資の拡大E公的部門への民間の資金・知見の取り込みF我が国が強みを有する分野への海外展開、国際貢献G国際競争の基盤整備の促進―という計8分野について、今後の方向性を具体的に示した。
 低炭素・循環型システムの構築に向けては、今通常国会で審議中の都市低炭素化法案に基づき、都市機能の集約化や住宅・建築物の低炭素化を推進するとともに、支援措置の強化・充実に取り組む。また、官庁施設を対象とした低炭素基準の策定やゼロエネルギー化を目指したモデル事業の実施、直轄国道でのLED道路照明灯の導入などを推進。公共施設や防災拠点への定置型蓄電池の導入や、駅などへの再生可能エネルギー発電設備・省エネ設備の設置も進めていく。
 災害に強い国土・地域づくりを推進する観点からは、耐震住宅ストック比率を20年度までに95%(08年度は79%)に高めるため、耐震診断・耐震改修促進策を強化する。高層建築物の被害軽減に役立つ長周期地震動に関する情報提供も始める。社会資本の的確な維持管理・更新をめぐっては、地方自治体の管理施設を含め、主な社会資本の実態を把握するとともに、今後の維持管理・更新費を推計し、戦略的な維持管理・更新に役立てる。
 住宅・不動産分野での投資拡大に向けては、今国会で審議中の改正不動産特定共同事業法に基づき、民間資金を活用した建築物の耐震化や民間施設の整備を推進するほか、中古住宅の流通円滑化やリフォーム促進のための諸施策を展開する。
 民間の資金・知見を取り込むための方策としては、重要施設(大都市圏拠点空港アクセス鉄道、関西空港・伊丹空港など)でのPPP/PFIの活用、特定都市再生緊急整備地域などでの都市開発プロジェクトの推進、都市高速の長寿命化・補修・更新時の民間資金活用などを想定。これによって、国交省関連のPPP/PFI事業費を10年から20年までの合計で新たに2兆円実施する方針だ。

提供:建通新聞社