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2012/07/25

若年労働者の確保など重点支援 建設雇用安定助成金を創設

 厚生労働省は、教育訓練や雇用改善に取り組む建設業を助成する建設雇用改善助成金を廃止し、若年労働者の確保・育成と技能継承に重点を置いた「建設雇用安定助成金(仮称)」を2013年度に創設する。新たな助成金では、若年労働者の入職や定着を目的に「キャリアパス」などの評価・処遇制度を導入したり、現場実習などを行う中小建設事業主を支援。建設技能の向上を支援する技能検定の事前講習や基幹技能者の養成訓練などの取り組みも助成する。
 建設雇用改善助成金は、建設事業主などが行う建設労働者の能力開発や雇用管理改善などを助成する制度。例年6〜7万件の利用実績があり、12年度予算には44億5800万円を計上している。10年度に行われた行政事業レビューで事業の廃止を求められたことを受け、助成メニューの一部を見直すなど、新たな助成制度として再構築する。
 13年度に創設する建設雇用安定助成金では、助成の目的を「若年労働者の確保・育成」と「技能承継」に重点化。建設業では、他産業と比較して若年労働者の入職者が急速に減少し、熟練技能の維持・継承が途絶え、将来的な技能者不足が懸念されていることから、こうした問題の解消につながる取り組みを重点的に支援する。
 新規に取り入れるメニューとしては、若年労働者の入職や定着を図る中小建設事業主が、就業規則・労働協約の変更などで実現を図る雇用管理改善制度の導入支援を取り入れる。具体的には、人事評価や職務・職能に応じた処遇制度や昇進・昇格基準(キャリアパス制度)のほか、研修制度、人間ドック受診、メンタルヘルス制度などを挙げている。
 このほか、建設雇用改善助成金でも行っていた訓練助成は継続して実施。中小建設事業主が若年労働者の育成や熟練技能を維持・継承を目的に実施する▽職業訓練校の建築施工・土木系訓練▽車両系建設機械運転講習▽技能検定試験の事前講習―などを助成する。
 一方で、建設雇用改善助成金の通信教育訓練や建設広域教育訓練(受講援助)などは廃止する。
 建設雇用安定助成金の初年度の予算規模は12年度の建設雇用改善助成金と同程度を想定。厚労省は13年度予算の概算要求が認められれば、メニューごとの助成率や限度額などを固めるとしている。
 
提供:建通新聞社