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中央ニュース

2012/07/24

低価格での発注回避を 民間発注者に要請 

 国土交通省は23日付で、法定福利費の確保による社会保険未加入対策の徹底を民間発注者に要請した。建設工事の発注に当たり、公正な競争が成り立つよう必要以上の低価格による発注をできる限り避け、見積もり・入札・契約時には法定福利費の着実な確保に配慮するよう求めた。
 社会保険未加入対策は、技能労働者の適正な雇用環境と企業の健全な競争環境を確保することが狙い。2012年度から16年度までの5年間を▽周知啓発重点期間▽加入指導重点期間▽保険加入者優先期間―の3段階に分けて徐々に指導を強化していく。17年度以降は、未加入事業者とは契約せず、未加入の作業員の現場入場を認めない体制の構築を目指している。
 国交省では、こうした取り組みの実効性を確保するためには、発注者の理解と協力が欠かせないと判断。特に行政が関与しにくい民間プロジェクトの発注者にあらためて協力を要請することにした。要請先は、日本経済団体連合会や日本商工会議所、不動産協会など計31団体。
 要請に当たっては、建設工事の発注に際し、▽公正な競争が成り立つよう必要以上の低価格による発注をできる限り避けて、必要な経費を適切に見込んだ価格による発注を行う▽建設作業を担う技能労働者の法定福利費が着実に確保されるよう、見積もり・入札・契約の際に配慮する―ことを盛り込んだ。
 法定福利費の支払いをめぐっては、直轄土木工事の積算で、本来事業者が負担すべき法定福利費を予定価格に適切に反映できるよう現場管理費率式を見直し、本年4月から適用を始めた。直轄建築工事でも、以前から法定福利費を予定価格に適切に反映させる措置を講じている。
 要請先は次の通り。
 ▽日本経済団体連合会▽日本商工会議所▽日本建築士会連合会▽日本建築士事務所協会連合会▽日本建築積算協会▽日本建築家協会▽建築設備技術者協会▽日本自動車工業会▽日本電機工業会▽石油化学工業協会▽石油連盟▽電気事業連合会▽日本ガス協会▽日本百貨店協会▽日本チェーンストア協会▽日本民営鉄道協会▽不動産協会▽日本ビルヂング協会連合会▽全国宅地建物取引業協会連合会▽日本住宅建設産業協会▽全日本不動産協会▽全国住宅建設産業協会連合会▽高層住宅管理業協会▽不動産流通経営協会▽日本不動産鑑定士協会連合会▽不動産証券化協会▽大阪土地協会▽中部不動産協会▽住宅生産団体連合会▽生命保険協会▽日本損害保険協会

提供:建通新聞社