建設コンサルタンツ協会(建コン協、大島一哉会長)は、発注者がCM(ピュア)方式をスムーズに導入できるよう、CM業務標準約款(案)と同業務共通仕様書(案)などで構成する「CM方式活用の手引き(案)」を作成した。案は、基本的な考え方としてCM業務委託契約を「準委任契約」と見なす一方、現行法制度の範疇(はんちゅう)で発注者が権限を留保した上で行う定型的行為を「行政代行」と位置付けた。
手引き(案)のうちCM業務標準約款(案)は、コンサルタントの設計業務委託契約に用いられている「公共土木設計業務標準委託契約約款」をベースに、土木学会建設マネジメント委員会の検討内容などを参考にしてまとめた。
案は、発注者とCMR(マネジメントを担う組織)との契約関係について、CMr(管理技術者)が基本計画策定者、設計者、工事請負者、維持管理業者に出す指示などは「発注者の代理人的立場として行うものである」との認識を示し、CMrとして行使できる権限を契約事項として、設計業務委託契約または工事請負契約の設計図書に示すよう促した。
また、CM業務は工事ではなく、コンサルタント業務と位置付けられていることを理由に「建設コンサルタント登録されていること」をCMRの応募条件とすることが望ましい、とした。
建コン協は、これから本格化する東日本大震災の復興事業では、複数の専門技術者が一体となったCMRの活用が効果的・効率的と主張しており、今後、建設コンサルタントのCM業務受託拡大に向け、市場化テストに導入されている「みなし公務員規定」の適用を国に働き掛けていくことも考えている。
提供:建通新聞社