国土交通省は、公共工事の新技術活用システム「NETIS」の抜本的な改良に向けた検討に乗り出す。利用者のニーズを踏まえ、優れた技術がより活用されやすい環境を整備するとともに、情報を効果的に提供できる仕組みの構築を視野に入れている。掲載期間が最大10年間となっている技術情報の取り扱いが大きな論点となりそうだ。本年度中に新たなシステムに対応したデータベースの試行運用を始め、早ければ2013年度からの本格運用を目指す。
NETISは、民間で開発された新技術を公共事業などで積極的に活用・評価し、技術開発を促進していくためのシステム。本年6月時点の登録技術数は4078件で、活用される技術は年間延べ約1万件に上っている。
98年度に前身である新技術情報提供システムの運用を開始して以降、国交省は評価情報の反映、事後評価の実施、有用な新技術の選定など徐々に改良を重ねてきた。
ただ、依然として▽活用・評価されていない技術が多く登録されており、そのまま掲載期限(最大10年間)を迎えるケースがある▽優れた技術であっても掲載期限を迎えると、一律に情報が削除されてしまう▽類似した技術が登録されているにもかかわらず、利用者に必要な情報を効果的に提供できていない―といった課題が指摘されている。
このため国交省では、利用者のニーズを踏まえた質の高い技術情報を提供できる新たなシステムの構築が必要と判断。システム改良検討業務の実施主体を募り、具体的な制度設計を進めていくことにした。
検討に当たっては、本年度中に新たなシステムに対応したデータベースを試行的に稼働させ、利用者からの意見などを聞き取った上で、13年度以降の本格稼働につなげていきたい考えだ。
提供:建通新聞社