政府は13日、福島県の原子力災害からの再生を目指した「福島復興再生基本方針」を閣議決定した。再生可能エネルギーなどの新産業創出、原子力災害の被害を受けた地域の産業復興などを目指し、課税特例や工場用地の無償譲渡などの支援策を実施する。追加被爆線量を年間1_シーベルト以下にすることを長期目標に計画的な除染を進める方針も示している。
基本方針は、3月に成立した福島県復興再生特措法に基づき、福島県の復興・再生に関する総合的な施策を盛り込んだ内容。
県全域を対象に、再生可能エネルギー、医療関連、スマートコミュニティなどの新産業を重点的に支援するため、中小企業基盤整備機構が管理する工場用地の無償譲渡、工業団地の整備促進、農地法の手続きの迅速化・円滑化などを図る。
原子力災害で被害を受けた地域のうち、避難解除区域では、公的インフラの復旧や除染の実施、課税の特例(事業用設備への投資、雇用促進)などの支援策を講じる。
除染の迅速・確実な実施とともに、除染技術の開発なども重点的に進める。除染で発生した廃棄物のための仮置場の確保や中間貯蔵施設の在り方について、国が責任を持って県・市町村と協議するとした。
提供:建通新聞社